デジタル人材育成研修(DXコース/デジタル技術の活用できる業務の仕分け)
■デジタル人材育成研修とは
令和6年度「中小企業デジタル技術活用支援事業」として、各社が抱える省人化、効率化等の課題に応じ、デジタルツールなどを活用したオーダーメイド型の研修を3コース(IoTコース、生成AIコース、DXコース)実施しました。
コース | 期間 | 回数 | 概要 | 参加企業 |
IoTコース | R6.12~R7.3 | 7~10回 | 製造業を営む中小企業に対してIoT技術のスペシャリストによるIoT導入のノウハウ習得を目的とした研修を実施した。 | 2社 |
生成AIコース | R6.11~R7.3 | 5~6回 | 様々な業務課題を「この課題は生成AIを活用して解決できるのでは?」という発想を持っていただくべく、ヒアリングによる各社課題を抽出し、改善策を業務に適用していく研修を実施した。 | 5社 |
DXコース | R6.12~R7.3 | 9回 | DXに取り組む意欲の醸成を図りながらDX化における事業計画の策定へ向けて必要な要素を可視化していく研修を実施した。 | 9社 |
■DXコース概要
DXコースでは、限られた経営資源において「どのように最初の一歩を踏み出せばいいのか?」を理解し、DXに取り組む意欲の醸成を図りながら、DX化を進めるために必要な要素を可視化し、DX経営の4つのSTEPについて学びと実践を交えながら個社の事業計画策定と計画実行力を向上するための支援を行いました。
■受講者様の概要
企業名:アスカ自動車工業株式会社
所在地:千葉市若葉区
業務内容:新車・中古車販売/自動車整備/鈑金塗装
資本金:6000万円
従業員数:31名
拠点数:1拠点
部門数:4部門(総務経理部門、営業部門、整備部門、鈑金塗装部門)
■受講申込のきっかけ
経理総務部門でのテレワークを促進したいと考えていましたが、社内でどのように取組を進めていけばよいのかがよくわからず不安を抱えていました。
そんなときに研修の受講案内がありました。
受講申込前に研修の内容やスケジュールについての説明を受けることができたので、納得感を持って研修を受講することができました。
■実施内容
STEP1
現状活用しているITツールと取り組みたいテーマの確認を行いました。
テーマ:【多様な働き方の実現】
経理総務部門:入出金に関する書類のペーパレス化、テレワークの実施
整備部門:工数管理、作業内容指示書のペーパレス化
懸念事項:新システム導入による社内の抵抗感払拭
STEP2
ビジネスフローと業務フローを可視化し、管理表により課題の整理を行いました。
STEP3
STEP2により整理した内容により、新たに導入するツールを「納品書・請求書の電子化ツール」として選定しました。
また、既存ツールの活用も含めた形で、ビジネスフロー・業務フロー・データフローを整理しました。
STEP4
KPT法を用いて、テーマを「案件管理」「ペーパレス」「いつでもどこでも」の3つに絞り込み、ツールの導入に向けた具体的なロードマップを作成しました。
フォロー研修
DX進捗度診断(可視化ツール)により研修実施前と実施後の社内の状況を比較しました。
その結果、得点が6.5点向上していることが確認されました。
■受講しての感想
一人では取り組みを進めることができなかったと思いますし、研修を振り返ると他部門の社員と一緒に参加させてもらえばよかったかなとも感じています。
研修を通じて、外部講師からのアドバイスにより自分とは異なる視点やアプローチ方法に気付くとともに、ヒアリング内容をフロー図として整理してもらうことにより、「可視化」の重要性を痛感しました。
また、担当講師の前向きな姿勢からも刺激を受け、モチベーションを高めることができました。
当初懸念事項としていた新システムの導入による社内の抵抗感の払拭についても、説明書を作成した上で個別に説明の機会を設ける等の工夫をすることにより、他部門からの理解を得ながら、小さなことから一歩ずつ段階的に取り組みを進めることができました。
■現在の取組状況・今後の目標
これまで整備部門において記入した内容を、経理総務部門において別途システムへ入力していましたが、整備部門から直接システムへの入力を可能とするため、現在、既存の売上システムのカスタマイズを検討しています。
上記の取組により、経理総務部門におけるフルリモート勤務の実現を目標としています。
また、副次的な効果として全社的に「可視化」の重要性が浸透してきたように感じています。
ビジネスチャットを活用し、各部門における目標と改善策を全体で共有するようになりました。